ソーコ夜話⑰ 『局地的極地』
September 27, 2018
局地とは限られた土地、特定の場所などを指す。一方の極地は、南極や北極など最果ての地、あるいは厳しい環境の場所を指す。この北極や南極の環境を体験できるところがある。冷凍倉庫だ。
写真は、この 極地 への入り口。内部はマイナス25度。バナナで釘が打てるほどではないが、日々の暮らしではまず味わうこのできない気温だ。扉が開くと辺りの空気が庫内の冷気に冷やされ、白い霧となって視界を奪う。まるで白い冷気が噴出してくるような錯覚を覚える。
中に入ると確かに気温は低い。しかし湿度も低いせいか、肌にまとわりつくような不快な寒さではない。取材した日は気温が35℃を超える猛暑日だったせいもあるが、爽快感さえ覚える。とはいえ半袖のシャツでは数分が限界だろう。庫外に出た瞬間、カメラのレンズが曇る。しばらくすると暑さが戻ってきたが、曇りはしばらくとれなかった。
冷凍倉庫は、一般人が簡単に入れる場所ではない。その環境もしかりだが、厳重に守られ簡単に立ち入ることのできない場所は、やっぱり極地だ。その極地をレンタルで体験できるこの場所は、だから局地的な極地なのである。
久保純一(ロジスティクス・トレンド)