ソーコ夜話⑫ 『クリエイティビティと天井高の関係性』

April 16, 2018

 

建物の設計は一般的に、機能によって決定される。部屋の広さしかり、天井高しかり。理由があってその広さなのだし、理由があってその天井高なのだ。

さまざまな工具や産業機械を使って自由にものづくりができる会員制DIY工房 六本木 TechShop Tokyo の天井は、高い。最高で8mというからちょっとした倉庫よりも高い。しかしここは、倉庫ではなく、元倉庫でもない。インテリアメーカーのショールームとして使われていたスペースの床を抜き、わざわざ広い空間をつくりだしたのだ。今はそこに、創作に没頭する人々の姿がある。

工具を使うのにも、機械を設置するのにも、8mもの天井高は必要ない。だが「天井が高い空間の方が、クリエイティビティを刺激する気がする」という TechShop Tokyo の運営スタッフの言葉は、ひとつの真理だろう。天井が低く囲まれ感のある空間は、短時間に集中して作業するにはいいかもしれない。しかし既存の価値観にとらわれないような、新しくて自由なモノを生み出したい、そんなときによりふさわしいのは、開放感のある空間だろう。

この空間はものづくりだけでなく、スタジオとして、あるいは研修やセミナーの会場としても活用できる。クリエイトとは本来、あらゆるモノを生み出すこと。だからここで新たな経験や発想が生まれれば、それはクリエイトということ。ここでモノを生み出すのに、必ずしも工具は必要ないのである。

天井が高い空間は、新しい発想を生む。だからやっぱり天井の高い空間は、「空間効率」がいいのだ。

 

久保純一(ロジスティクス・トレンド)

 

 

03-5765-7076

Mon - Fri 10:00 - 18:00 Sat 9:00 - 15:00