ソーコ夜話㉓『都市の視線』
March 15, 2019
写真は 海岸 Rainbow ROOFTOP で撮影したもの。怖いとわかっていながら下を覗き込んでしまうのは、屋上のもつ不思議な力の一つだろうか。
視線を転じると、そこには都会のビル群が映る。この建物ができた55年前から変わらないものは、写真右端に映るモノレールと首都高速道路、それと運河くらい。左手に映る古びた水門でさえ、建物が建ってからできたものだ。
当時は視界を遮るものはなにもなく、この先でゆるくカーブする首都高を走る車を正面から見ることができた。首都高を国賓が通過する際は屋上に警官が立って警戒に当たったという。
建物がもつ「高さ」という価値は、より高い建物の出現によって相対的にすり減らされていく。建てられた当時、近隣でいちばん高い建物だったこの5階建ての倉庫ビルも、もはや「高い建物」ではない。
それでも屋上に上がると、やっぱり下を見下ろしてしまう。
※海岸Rainbow ROOFTOP をご利用の際は、床に引かれた白線を越えないようお願いいたします。
久保純一(ロジスティクス・トレンド)